希少品　黄綬褒章記念受章鋏　全長：6寸（185mm）昌国作 　2017年（平成27）春の褒章受章者黄綬褒章　盆栽ばさみ開発・川澄寛国さん（６６）大会開催日に晴れの受章、黄綬褒章で盆栽ばさみを長年手がける刃物製造工、川澄寛国さん（６６）＝川口市朝日＝に、喜びの声を聞いた。 　日本で初めて盆栽ばさみを作った祖父。海外向けに盆栽の本を書くなど普及に貢献した父。その跡を継いだ盆栽ばさみ開発の「昌国」３代目は、名誉の受章が「第８回世界盆栽大会ｉｎさいたま」の開催に重なった。 　「おやじが生きていたら、『お前なんてまだまだだよ』と怒られるかもしれない」と苦笑いする。先代、先々代への敬意を片時も忘れず、２人が手がけた商品などは職場２階の博物館に展示してある。 　初代の盆栽ばさみは改良を続けながら８０年以上愛されるロングセラー。しかし、頼ってばかりではいられない。２０代の頃、刃の部分を取り換えられる剪定（せんてい）ばさみを開発した。趣味だったカメラのレンズ交換からヒントを得たという。 　「木を切るはさみを作るからには、木のことを知らなければ」と、平成１０年には樹木医の資格を取得した。研鑽（けんさん）を積む息子に父は「一緒に本を書こう」と声をかけた。認められたことがうれしかった。 　この道４０年以上。盆栽大会では川口市のブースに参加し、盆栽道具を販売する。大会の裏には、父祖の思いを継ぎ、より良い道具を作り続ける名工の姿がある。　産経新聞抜粋（川上響）